しょうが焼き定食が美味いお蕎麦屋の主人は猫と暮らしてたって


咳をしても1人じゃないから睨まれる
猫を愛せば優しくなれるよ


乱暴にがぶりと飲み干すコーヒーで
クレッシェンドに加速する朝


迫りくるUber Eatsの自転車を地図で眺める
僕はここだよ


離してはいないけれども掴めてもない 味噌汁に浮かべた豆腐


音楽に答えはあって 君の惹かれる音こそがきっとそうだね


しょうが焼き定食が美味いお蕎麦屋の主人は猫と暮らしてたって


祖母の住む商店街で流れてたカーペンターズをよく聞いてるよ


夜ふけすぎ 赤信号を独断で渡る
あいつにLINEしちゃおう


今だってどこかで誰かが死んでいる あの日の記憶は身に余っていく



ベロ酔いで近づいた猫に逃げられて 
今日は誰にも愛されたかった



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『今日は誰にも愛されたかった』という詩と短歌の連歌集があって、その天才的なフレーズが頭から離れず恐れ多くも丸々使ってしまいました…。
谷川俊太郎さんは言わずもがな日本の生ける伝説だし、木下龍也さんと岡野大嗣さんは現代短歌の申し子。天才。つよい。編集者ナイス。
2人の短歌は
風景を31字で描きとって 誰かの視界の色を足してく、
ようにおもいます。

あ、なんか短歌みたいになってる。

そんなここ最近です。

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