秋、宮下公園で。
あなたに救われた心をこの夕景に溶かして、私はここまで泳いできました。
懐かしさでくくらずに、私の中に新しさも見つけてくれたあなたが、なんだか懐かしかった。
36℃のぬるま湯みたいに、浴びたら冷たくて飲んだら体温に馴染んだあなたの言葉は、まだ無事に私の中にある。
もしもし私、消化してはくれませんか。
「エモい」なんて、紋切り型の言葉で表さないで。何も考えずにエモくなれるあなたが滑稽で羨ましい。私、エモクナリタイ。
いつでも出せるところに言葉の針を持っておくから、くすぐるみたいにあなたの背中をつついてあげるよ。生きてくための最後の暗号はありがとうだってあなたに言えたらよかった。
2月29日みたいに、たまにしかやってこない日を、初めて知るみたいに驚いて、そしてもう一度始められたら、いいのにね。
泳いできたからわかるけど、生きてくリズムは波と同じで、言葉と同じで、たまに凪があるから眠りましょう。
いい歳して、泣いてもいいよ。
いい歳しても、笑っていてね。
足元からするおしゃれを楽しんで、頭にきたら忘れてね。
星が落ちるみたいに終わる秋だった。
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