イノウエと歌②
あの頃はガラケーで着メロを聴くような時代だった。僕が中学1年生の頃のことだ。たったの10年で音楽の聴き方も変わっていく。今やiPhoneのApple Musicでストリーミング再生だからね。変わったでいえば、今の高校生はガラケーのメールでやりとりしあった経験なんてないのだろう。気になるあの子とのメールでドキドキしながら「新着メール問い合わせ」のボタンを押す感覚は、多分5歳下の世代にさえ刻まれてはいない。
話が逸れた。
とにかく僕は友人から様々なアーティストの着メロデータをもらい、自分の携帯電話にいれた。
Hey!Say!JUMPやGReeeeNの並びにあったあの曲は今でも思い出深い一曲だ。
ポルノグラフィティ、『ハネウマライダー』。
心は空を裂く号令を聞いたハネウマのように乱暴だけど 、
それでも遠くまで運んでくれる。
ただ必死にしがみついてたら、君が目の前に現れた。
Hey you!このBig Machineに乗っていけよ。
汗ばむほどの朝陽に照らされながら自転車を走らせ、ひどい音質で聴いたこの曲を僕は決して忘れない。聴くたびにワクワクして爽やかな気持ちになり、ペダルを漕ぐ足も早くなる。体が勝手に躍動していくあの歌を、僕は忘れない。
中学2年生になって友人とカラオケに初めて行った。「第一回イノウエ家カラオケ大会」が若干のトラウマとなってはいたが、カラオケ自体に興味はあった。
二人の友人に見守られながらマイクを握る。確かに緊張していた。
曲はハネウマライダー。新たな旅立ちに、モーターバイク。
アキヒトのあの声を思い出す。
鼻にかかったような中高音。
…真似してみようか。
……あれ?意外と歌いやすい…?気のせいだろうか。
でも、前より楽しく歌えてる…?
そう、モノマネだ。僕の歌の原点はポルノグラフィティのモノマネから始まった。
当然この時の録音があったら聞き難いレベルのモノだっただろうが、結果的にはその試みは上手くハマったようだった。
歌うのが、楽しくなったのだ。
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別に歌で食ってるわけじゃないのに偉そうだねこいつ。あくまでこれは自分の趣味の分析です。もっと上手くなるためのブレイクポイントを探す一環です。
そんなのでも読んでくれてる人、本当にありがとうございます。まだ続く!
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