タイムアタック
時間がないので3分で何かを書きます。
タイマーを3分間でセットし、タイムアップと同時にアップします。例えそれが途中でも。
よーい、どん!
………
「懐かしさだけで泣いちゃう」
怪しげな娼婦は言った。
煉瓦造りの外壁が立ち並ぶこの街に、そのつばの広い帽子は似つかわなかった。
「でも、あえて、よかった」
噛みしめるように言って俯く。日が沈む。影が伸びる。ただその娼婦の言葉だけが短くなっていく。
何も言えない。何も聞こえない。男は生まれつきの体質ゆえに、娼婦の表情だけで全てを読み取ろうとする。しかし、そんなことは不可能で、完全には理解し合えるわけなんて、ないのだ。
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