銀河の果ての夏までも

何万光年も先、銀河の果てに夏はあるか。

蝉が鳴いている。道路脇でタバコをふかす人がいる。歩いていると、オカリナを吹いてみたくなった。どこか遠くの方で珍妙なその笛のような、透き通った高音が聴こえてきた気がしたから。

夏があったら、会いにいく海がある。一年に一回?いや、週に二回くらいは本当は。織姫と彦星だって、本当は。
会いたくないわけなくなくなくない?はて、七夕に願いをこめられるのは一体誰なのだろう。
そうして、相反する感情の隙間に落ちていっては繰り返す。生きるってどういうこと?これもまた一つ。
"人間って一体なに?"何十年か先、孫に聞かれたら、平成最後の夏を思い出せるようにしよう。蝉は鳴かない、が、梅雨は明けた、中途半端な夏であったことを。狭間の中でしか生きられない私たちは当事者になったときに気がつけますよう、祈っていたことを。

他人事でしか笑えない。アスファルトに汗が垂れる。オカリナのことを思い出して少しだけ可笑しくなった。

何万光年も先、銀河の果てにも夏はある。
そこで蝉は鳴いているか。生きているか。

そんなんだけど、イノウエは。

つれづれなるままに!ひぐらし!

0コメント

  • 1000 / 1000