カケラ【タイムアタック】

タイムアタック企画に挑戦です。今回は5分間で書きます。酔ってて眠いです。
よーい、どん!

……………………………

「何度言ったらわかるんだ!」
店長が怒鳴る。
あーこいつ死なねえかな。落とした皿のかけらを拾いつつ、店長の靴を睨みつける。
何回転生したらあいつになれるんだろう。現世で何をすれば来世あいつになれる?そんなくだらない世迷いごとを頭の中でぐるぐるとかき混ぜていたら手元が滑って粉々に砕け散るグラス、そして、俺の中の何か。
飛び散ったのは結局その時考えていた思考のかけらだったのだろうか。
謙虚であることがモットーで、それは自分の実力以上に誇張して存在感を表すことを自分自身で諌めることであって、心の中で何を思おうがきっと個人の自由だ。だから内心で店長を罵倒し、呪詛をかける。
「いらっしゃいませ!何名様ですか?」
さっきの怒鳴り声と違う、店長の媚びた声が聞こえる。虫酸が走る。嫌いな人の、嫌いな声。性格の悪さは顔に出ない。人殺しだって席を譲れば善人だ。俺はにこやかに、グラスの死骸をゴミ箱に捨てる。

そんなんだけど、イノウエは。

つれづれなるままに!ひぐらし!

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