たのしかったこと②
・あぁ、文字が、書けない…。
せんせいの声が遠くなる。耳に水の膜が張られたみたいだ。シャーペンの先端は震え、コントロールの効かないものとなる。
朝一番から面接があり、気疲れしていた午後のことだ。それに、昨夜の飲み会で脳みそに練りこまれたアルコールは完全には抜けきっていなかった。
「〜〜レポートを提出しない奴もいるしな。な、イノウエ!」
唐突に、名指し。びっくりである。
睡魔は驚いて一目散に逃げていったが、喉は掠れてウィスパーボイスになった。
(すみません…)
この言葉がせんせいに届いたのかどうかは知らない。でも一瞬教室の空気が変な感じになった気がした。空気に書いてあったのをちらりと読むと、誰だよイノウエ、って書いてあった気がした。
多分イノウエが睡魔に襲われ舟を漕ぎ始めたことにせんせいは気づいたのだろう。しかし、今となってはその気遣いは嬉しさよりも恥ずかしさが勝ってしまっている。
でも、存在を承認してくれているだけでありがたいから、プラマイゼロって感じ。今日大学行ってよかったって思った。
・nonno最新号の本田翼が可愛かったので、可愛かったこと。うん。
・手応え0だった筆記テストの点数褒められたこと。運だと思うけど。
・初めて使った折り畳み傘のカバーが防水性抜群で、カバンに濡れたまましまってもビチョビチョにならなかったこと。
以上。
思い出はいつの日も〜あめ〜。
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