俺の舌だけを知ってるスプーンと 焼け溶けて消えた氷の夢と

<2020/9/1-9/6 線香花火は湿気ってしまって>

皮膚科医を逆に信じる 
受付の植物 枯れて積もってる埃


視る角度 変えて崩れた星座みたい
僕ら自身がそれぞれ星だ


ごめんね、と花火破裂する瞬間に
言われた 普通に聴こえてしまった


小田急の優先席にガムを吐くピアスの男も来週生きてて


嘘つきの僕らは結局火をつけず
線香花火は湿気ってしまって


目の前で死因が通過する様を見ていた
黄色い線の内側


あの時に生まれた髪の毛、爪、涙
生え変わったし 流し終わったし


綺麗好き、な所ですかね
え、短所? 働きたくない気持ちですかね


お互いが毛布の代わりにしてました
一人の朝は寒いだけじゃない


俺の舌だけを知ってるスプーンと
焼け溶けて消えた氷の夢と




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